上突咬合(じょうとつこうごう)とは、上の歯が前に出ているかみ合わせの状態で、上顎前突(じょうがくぜんとつ)、出っ歯(でっぱ)ともいいます。遺伝による骨格と歯の大きさのバランスが原因となることが主です。その他指しゃぶりやおしゃぶり、舌癖などの日々の生活習慣が原因となることもあります。口元をリラックスさせても口が閉じにくい、前歯で物をかみにくいなどの症状を伴うことがあります。
上突咬合の患者さんのケース
小児の上突咬合・上顎前突・出っ歯に関する歯科矯正領域の診療ガイドライン
歯科矯正領域の診療ガイドラインは、厚生労働省からの委託を受け、。医療者と患者が適切な診療の意思決定を行うことを助ける目的で、科学的根拠を基に系統的に作成された指針です。
日本医療機能評価機構が運営する医療情報サービスの「Minds」に歯科矯正分野で初めて選定されたガイドラインです。
上の前歯が出ているお子さんのための矯正治療ガイドライン
Minds医療情報サービス WEBサイト
上突咬合の患者さんの1期治療
・・・治療前(9歳)
・・・治療後(10歳)
初診時年齢9歳の女子で、前歯が出ていて口が閉じにくいことがお悩みで来院されました。治療期間1年で、口元の突出感は無くなり、自然に口が閉じるようになりました。
- 初診時年齢
- 9歳
- 性別
- 女児
- 治療内容
- 口唇閉鎖機能の改善、保定後第2期治療へ
- 治療期間
- 1年
- 保定期間
- 2年 ※保定期間は通常2年~3年(状態により異なります)
- 通院回数
- 3~4週間に1回程度 保定期間は4~6か月に1回程度
- 治療費の総額の目安(自費)
- 1期治療:総額約25万~39万円 保定観察料:3千円/1回
- 副作用・リスク
- 歯根吸収が起こるリスクがあります。矯正治療中は歯磨きしにくい部分ができるため虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。
上突咬合の患者さんの2期治療
治療前
治療後
初診時年齢13歳の男子で、主に、前歯が出ていて唇が閉じにくいことがお悩みでした。初診時は口を閉じた時に、オトガイに緊張感(下顎に梅干しの種)が認められましたが、2年8か月の治療で、前歯の突出感もなくなりリラックスした状態で口を閉じられるようになりました。
- 初診時年齢
- 13歳
- 性別
- 男子
- 治療内容
- 上顎は左右第一小臼歯、下顎は左右第二小臼歯を抜去し、マルチブラケット装置とヘッドギア、顎間ゴムを用いて治療を行いました。
- 治療期間
- 2年8か月
- 保定期間
- 2年 ※保定期間は通常2年~3年(状態により異なります)
- 通院回数
- 3~4週間に1回程度 保定期間は4~6か月に1回程度
- 治療費の総額の目安(自費)
- 総額約67万~92万円 保定観察料:3千円/1回
- 副作用・リスク
- 歯根吸収が起こるリスクがあります。矯正治療中は歯磨きしにくい部分ができるため虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。
上突咬合の患者さんの矯正治療例
※記載の治療費は治療当時の金額(税込)です。